時事解説

2017年06月17日号

【警察当局】
神戸山口組組長再逮捕の狙い


●朝日新聞デジタル
「朝日新聞デジタル」は16日、「神戸山口組トップ長期不在、影響は… 弱体化狙う警察」という見出しで次の記事を配信した。
 トップが長期間不在になれば、神戸山口組は混乱して弱体化につながるのではないか――。複数の警察幹部は、兵庫県警と京都府警が立て続けに井上邦雄容疑者を逮捕した狙いについて、そう話す。

 ある捜査幹部は「全国の警察が一体となってトップを長期不在とすればするほど、離脱する組員も出てきて勢力が衰える」とみている。一方で、「配下の組員も大勢いるので一気に崩れるわけではないし、トップの不在の混乱期を狙って抗争事件が起きる恐れもある」と警戒している。

 警察当局は会津小鉄会の内紛については、山口組と神戸山口組の「代理戦」とみている。ある捜査幹部は「双方が勢力を伸ばすため、会津小鉄会の内紛を利用していた。それが1月の乱闘の引き金になったのだろう」と話す。

●産経新聞
「産経新聞」は16日、「神戸山口組組長を再逮捕 分裂の混乱機に壊滅へ」という見出しで次の記事を配信した。
 指定暴力団神戸山口組のトップ、井上邦雄容疑者が再逮捕された。指定暴力団会津小鉄会の内紛に端を発する組員の乱闘騒ぎに関与した容疑であり、長期の勾留(こうりゅう)も見込まれる。“3つの山口組”のうち1組織のトップの不在は、三つどもえの状況にどのような影響を及ぼすのか。警察当局は暴力団社会の混乱を機に、一気に組織の壊滅を進めたい考えだ。

「罪の軽重を問わず暴力団トップの摘発に踏み切るべきだと判断し、いったんしまい込んでいたネタを取り出した」

 今月6日、知人名義で携帯電話の機種変更契約を申し込んだ詐欺容疑で井上容疑者を逮捕した兵庫県警の幹部は、暴力団トップ摘発の重要性をこう表現した。

 平成27年8月に指定暴力団山口組が分裂すると、全国で暴力団組員による衝突事件が頻発したが、神戸山口組が指定暴力団になった28年4月以降は沈静化。だが今年1月、神戸から離れた京都で“代理戦争”が起きていた。

 同月10日、会津小鉄会本部事務所を、山口組の関係者や同組を支持する同会組員が占拠。同会6代目会長、馬場美次容疑者の後継者が決まったとの書面が出回った。だが、間もなく馬場容疑者名でこれを否定する書面も流れた。

 翌11日、今度は馬場容疑者が神戸山口組側と事務所を占拠。山口組側も本部事務所周辺を取り囲み、乱闘騒ぎの事件は起こった。

 一方、4月に神戸山口組を離脱した勢力が新組織「任侠(にんきょう)団体山口組」を結成すると、間もなく神戸市内で新組織の組員を標的とする襲撃事件が発生。暴力団社会の混乱は増した。

 市民が巻き添えになる危険性が高まる中、警察庁の坂口正芳長官は今月5日、全国の警察本部長を集めた会議で、「山口組や神戸山口組の組員らの大量検挙、捜査の徹底による幹部の長期的な社会からの隔離で組織の壊滅を図られたい」と指示。警察庁関係者は「山口組が3つに割れたことを好機と捉え、全国の警察が一丸となって取り締まりを徹底すれば壊滅的な打撃を与えられる」と話す。

 京都府警幹部は、内部分裂による乱闘騒ぎの捜査で会津小鉄会に打撃を与えるとともに、神戸山口組トップの関与も捜査の俎上(そじょう)に挙げる。捜査関係者は「内部分裂という壊滅のチャンスを逃すわけにはいかない」と強調。一方、「ここからが本丸」と話す関係者もおり、今後の捜査に注目が集まる。

●鷲見一雄のコメント
「京都府警、警視庁、大阪府警、愛知県警、兵庫県警、福岡県警などは強力だ。

 注目したい」


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