時事解説

2017年03月17日号

【警察庁のまとめた「組織犯罪情勢」】
2万人(1万8100人)を割った暴力団・構成員(組員)、4万人(3万9100人)を下回った準構成員を含む全体勢力


●時事通信
「時事通信」は16日、「暴力団員、初の2万人割れ=排除対策効果、覚せい剤回帰も―警察庁」という見出しで次の記事を配信した。
全国の暴力団構成員数が2016年末時点で約1万8100人となり、前年末から1割減ったことが16日、警察庁のまとめで分かった。

 2万人を割ったのは、統計の残る1958年以降で初めて。準構成員を含む全体の勢力も17%減の計約3万9100人で、初めて4万人を下回った。

 勢力はピークだった63年の18万人余りから徐々に減少。暴力団排除の機運も高まり、政府は07年に反社会的勢力との関係遮断をうたう企業指針を公表したほか、利益供与を禁じた暴力団排除条例が11年までに全国で施行された。警察庁幹部は「暴排条例の影響は大きく、資金獲得が苦しくなっている」としている。

 勢力の内訳は、山口組が16%減の約1万1800人(うち構成員約5200人)で、分裂して対立抗争状態にある神戸山口組が10%減の約5500人(同約2600人)など。暴排条例に基づく勧告は74件、暴対法によるみかじめ料要求などへの中止命令は1337件に上った。

 検挙人員は約2万人で、覚せい剤取締法違反が4分の1を占め、営利目的事件で見ると構成員1000人当たりの摘発が07年の3.7人から6.5人に急増。17都府県の現金自動預払機(ATM)から18億円余りが一斉に引き出された事件では、山口組や神戸山口組など6団体の構成員が関与していた。

 警察庁は「利益率の高い伝統的な覚せい剤に回帰し、生活に窮して上納金に困り、なりふり構わず連携する状況もうかがわれる」と分析している。 

●産経ニュース
「産経ニュース」は16日、「暴力団が初の2万人割れ 資金難、覚醒剤回帰も 警察庁が組織犯罪分析」という見出しで次の記事を配信した。
 全国の暴力団構成員は昨年末現在で約1万8100人となり、統計が残る昭和33年以降で初めて2万人を下回ったことが16日、警察庁がまとめた「組織犯罪情勢」で分かった。前年より約2千人の減少で、要因を「暴力団対策法による締め付けや、民間で広がる反社会的勢力の排除で資金確保が厳しくなったため」と分析している。準構成員らは約2万900人。
 警察庁はこれまで、暴力団活動や薬物・銃器犯罪、来日外国人犯罪を個別に集計していたが、初めて組織犯罪の観点から包括的に分析。暴力団活動で「しのぎ」と呼ばれる資金確保で覚醒剤への回帰など変化が見られたほか、来日外国人犯罪グループが日本を拠点に他国を狙うなど手口の巧妙化が明らかになった。
 覚醒剤事件の暴力団構成員千人当たりの摘発人数は平成19年の34・9人から、28年に47・6人と約1・4倍に増加。飲食店などへ不法に金銭を要求する「あいさつ料」など従来の資金源が先細り、利益が多い覚醒剤密売に流れたとみられる。

●朝日新聞デジタル
「朝日新聞デジタル」は16日、「暴力団勢力、初の4万人割れ 離脱者の窃盗目立つ」という見出しで次の記事を配信した。
暴力団勢力の推移

 昨年末時点の全国の暴力団勢力は約3万9100人で、統計がある1958年以降、初めて4万人を割った。前年より約7800人減り、12年連続の減少。警察庁が16日発表した。

 同庁は「暴力団排除条例や暴排運動の広がり、取り締まりで暴力団の資金獲得活動が苦しくなり、勢力の一層の減少につながっている」と分析している。

 暴力団に所属する構成員(組員)は昨年、約2千人減の約1万8100人と初めて2万人を割り、所属しないが外部から組織の活動に関わる準構成員が約5900人減の2万900人。暴力団対策法が施行された25年前の勢力約9万600人から半分以下に減った。

 一方、暴力団から離脱した人がその後、摘発される事例の多いことが初めて明らかになった。11~15年の5年間に脱退届などで離脱が確認できた計9195人のうち、離脱から2年以内に何らかの犯罪で摘発されたのは2660人。窃盗が目立つといい、警察庁は「生活に窮して犯罪に走る傾向がある。離脱者の就労支援などを進める必要がある」としている。

 団体別の勢力は、最大の山口組(本部・神戸市)が約2300人減の1万1800人、15年8月に山口組から分裂、結成された神戸山口組(同・兵庫県淡路市)が約600人減の約5500人。両団体が対立抗争状態にあると同庁が判断した昨年3月以降、抗争に絡む事件は今月6日までに19都道府県で44件発生している。(編集委員・吉田伸八)

●鷲見一雄のコメント
「減った原因は警察庁の分析している通りだ、と思う」


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