ニュースとコメント

2017年09月13日号

【名古屋地検特捜部】
高野山真言宗の別格本山・八事山興正寺を背任容疑で強制捜査=現住職側から70億円使途不明で告訴状


●毎日新聞
「毎日新聞」は12日、「<名古屋地検>興正寺を強制捜査 70億円使途不明で告訴状」という見出しで次の記事を配信した。
 高野山真言宗の別格本山・八事山興正寺(名古屋市昭和区)を巡り、前住職らが寺の土地売却益を不正に流用したとして現住職側から告訴状が出され、名古屋地検特捜部は12日、興正寺など複数の関係先を捜索した。背任容疑で捜索したとみられ、前住職からも任意で事情を聴いた模様だ。

 現住職側は昨年9月、前住職らが土地売却で得た約70億円の使途が不明瞭として、背任と業務上横領の容疑で告訴状を名古屋地検に出した。特捜部は実態解明に向け、強制捜査に踏み切ったとみられる。

 関係者によると、前住職は在任中の2012年、寺の土地約6万6000平方メートルを学校法人に約138億円で売却した。現住職側は、前住職がこのうち約25億円を外国法人に、約28億円を東京都内のコンサルタント会社に送金したとし、いずれの送金先も前住職と関連のある会社だったなどと主張している。

 高野山真言宗は14年、無断で土地を売却したとして前住職を罷免し、新たに現住職を選任した。宗派の規則で財産処分には総本山の事前承認が必要なのに相談がなく、売却代金の一部を総本山に納める手続きなども行われなかったとした。

 これに対し前住職は「罷免は不当」として興正寺にとどまった。前住職が住職の地位確認を、現住職側が建物の明け渡しを求め、それぞれ15年に名古屋地裁に提訴した。高野山真言宗は今年6月、前住職を宗派の僧籍を剥奪する最も重い除名処分にすると決めた。

 一方、興正寺は名古屋国税局の税務調査を受け、15年3月期までの3年間で約6億5000万円の申告漏れを指摘されている。国税局は経営コンサルタント業者に支払った再開発に関する業務委託料について収益事業の経費と認めなかったなどとされる。

 興正寺は江戸時代の1686年に開かれ、弘法大師・空海を開基とし金剛峯寺(和歌山県高野町)を総本山とする高野山真言宗の別格本山で、「尾張高野」と呼ばれる。尾張徳川家の祈願所とされ、僧の修行とともに大衆信仰の寺としても栄えた。1808年建立の五重塔は国の重要文化財に指定されている。【金寿英、横田伸治】

●鷲見一雄のコメント
「名古屋地検特捜部の捜査に注目したい」


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