ニュースとコメント

2017年03月18日号

【東京高裁和解】
人格権の侵害=日本大学第三中学・高校側が女性教員の旧姓使用認め


●読売新聞
「読売新聞」は17日、「教員の旧姓使用認める…女性と学校側が和解」という見出しで次の記事を配信した。
結婚後に職場での旧姓使用を認めないのは人格権の侵害だとして、日本大学第三中学・高校(東京都町田市)に勤務する40歳代女性教員が、同校を運営する学校法人「日本大学第三学園」(同市)に通称使用などを求めた訴訟の控訴審は16日、東京高裁(大段亨(おおだんとおる)裁判長)で和解が成立した。

 17日に記者会見した女性側の弁護団によると、同校が「女性が困難な状況にあったことに配慮する」として、4月以降、女性を含む希望者に日常的な呼称や文書で旧姓使用を認める内容という。

 昨年10月の1審・東京地裁判決によると、女性は2003年に同校に着任。13年に結婚して戸籍上は夫の姓になったが、教室では旧姓を名乗っていた。成績通知票や時間割、出席簿などの書類上も旧姓の通称使用を要望したが、同校が認めず、提訴していた。

 1審は、戸籍姓について「職員を識別し、特定する合理性、必要性が認められる」と指摘。「旧姓使用が社会に根付いているとはいえず、戸籍姓の使用が違法な人格権の侵害とは評価できない」として請求を棄却し、女性側が控訴していた。

 最高裁は15年12月、民法の夫婦同姓規定を巡る訴訟の大法廷判決で、夫婦同姓を「合憲」と判断。根拠の一つとして「通称使用が広まり、女性が姓を変えることの不利益は一定程度は緩和される」と述べており、1審判決に対しては、最高裁判決とのずれが指摘されていた。

 弁護団の榊原富士子弁護士は会見で「1審判決後の批判的な意見を学校側も考慮したのだろう。他の私立学校や民間企業にも影響がある和解だ」と評価。女性は「自分本来の姓が使えるようになり、大変うれしく思う。今後も教師の仕事に誇りを持ち、子供と社会のために力を尽くしたい」とコメントした。約121万円の損害賠償請求は放棄するという。

 日本大学第三学園の話「裁判の長期化は、生徒・保護者、原告・被告双方の利益にならないと判断し、和解を受け入れた」

●鷲見一雄のコメント
「日本大学第三学園が和解を受け入れたのは賢明な選択だ、と思う。私も支持したい」


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