コラム

2017年08月08日号

【裁判をみる眼】
豊洲移転訴訟 都弁護団、主張変更せず、石原氏責任「裁判所が判断」と記者会見で述べた!


●朝日新聞デジタル
「朝日新聞デジタル」は7日、《石原元知事に「賠償責任なし」 豊洲移転訴訟、都が方針》という見出しで次の記事を配信した。
 土壌汚染のある豊洲市場(東京都江東区)の土地を都が578億円で購入したのは違法だとして、都民が都に対し、購入を決めた石原慎太郎・元都知事に損害賠償請求をするよう求めた住民訴訟で、都は7日、石原氏に賠償責任はないとするこれまでの方針を変えないことを明らかにした。

 小池百合子都知事の指示で、都は石原氏の責任について再検討していたが、当初の方針と同じ結論になった。原告弁護団によると、同日午前に東京地裁であった原告側と都側の協議で都の弁護団が明らかにした。

 訴状によると、訴訟は2012年5月に約40人の都民らが同地裁に起こした。東京ガスなどの所有地だった豊洲市場用地の購入について「都が土壌汚染対策費を考慮せずに578億円で購入したのは、(行政経費の節減を定めた)地方自治法などに違反している」などとして、都に対して石原氏に購入金額の全額を請求するよう求めている。

 都は当初、石原氏の決定に「違法性はない」などと主張していたが、小池氏が今年1月、「用地購入経過が不透明かつ不適正と指摘されており、事実関係を明らかにすることが都政改革に不可欠」などとして再検討する意向を示していた。

 これを受けて都は、弁護団を選び直し、土地購入の経緯や石原氏の賠償責任について調査。当初は4月下旬までに再検討結果を示す予定だったが、関連書類の分析などに時間がかかり、先送りされてきた。

 豊洲市場の用地購入費は、都が東ガスから578億円で買った部分を含め、計1859億円。土壌汚染対策費約860億円などと合わせた総事業費は約5900億円に上った。小池氏は昨年11月の予定だった築地市場の豊洲移転を延期した後、今年6月に移転を進める方針を示した。

●時事通信
「時事通信」は7日、「都、石原氏の責任追及せず=豊洲移転めぐる住民訴訟―東京地裁」という見出しで次の記事を配信した。
 東京都の築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転をめぐり、予定地を高額で取得したのは不当として、石原慎太郎元知事に約578億円を請求するよう東京都に求めた住民訴訟で、都側は7日、石原氏に責任はないとする従来の方針を変更しない考えを原告側に伝えた。

 原告側弁護団によると、同日、東京地裁であった進行協議で都側弁護団は、「購入価格は知事の裁量権の範囲」だとする従来の主張を維持する考えを明らかにしたという。

 住民訴訟をめぐっては、小池百合子知事が1月、石原氏に責任はないとする従来の方針を見直す考えを表明。都側の弁護団は当初、4月に方針を明らかにするとしていたが、延期していた。

 記者会見した原告の1人は「小池知事は『真相解明する』と言ったのに、消極的になってがっかりだ。なぜなのか知りたい」と話した。 

●中日新聞
「中日新聞」は7日、「東京都、石原元知事の責任問わず 豊洲住民訴訟で」という見出しで次の記事を配信した。
 築地市場の豊洲移転を巡り、土壌汚染対策費を考慮せずに土地を購入したのは違法として、東京都民が当時知事だった石原慎太郎氏への賠償請求を都に求めた訴訟の進行協議が7日、東京地裁であり、都側は石原氏の責任を問わない姿勢を示した。原告側が明らかにした。

 都側は従来、石原氏に責任はないとの方針だったが、小池百合子知事が今年1月に見直しを表明。しかし関係者によると、資料を精査した結果、都として法的責任を問うのは難しいと判断したもようだ。

 原告側は2012年、石原氏に約578億円の損害賠償を請求するよう都に求め提訴した。

(共同)

●毎日新聞
「毎日新聞」は7日、「<豊洲訴訟>石原氏の責任追及断念 都が方針見直さず」という見出しで次の記事を配信した。
 高額すぎる費用で豊洲市場(東京都江東区)の土地を購入したのは違法だとして、都民約40人が都を相手取り、石原慎太郎元知事に賠償請求するよう求めた住民訴訟の進行協議が7日、東京地裁(林俊之裁判長)であり、都側は石原氏に責任はないとしてきた従来の主張を維持する見解を示した。小池百合子知事の就任以降、都は主張の見直しを検討していたが、結果的に断念した。

 原告の都民側が、非公開で行われた進行協議後に記者会見し、明らかにした。都側は「購入価格の決定は知事の裁量権の範囲内」とする主張を変えず、従来通り争う姿勢を示したという。

 訴訟は2012年、市場移転に反対する仲卸業者らが原告となって起こした。原告側は、豊洲の土壌汚染が確認されていたのに都が約578億円もの高額で土地を購入する契約を結んだのは、地方自治法違反などに当たると主張している。

 都側は当初、「石原氏に責任はない」と主張したが、昨年8月に就任した小池知事は今年1月、石原氏の賠償責任について方針を見直す可能性を示唆。4月中に結論を出すとしていたが、方針表明を延期していた。

 原告の一人、水谷和子さんは会見で「小池知事が『真相解明』と言っていたのに、ここにきて消極的となり、がっかりしている」と話した。【近松仁太郎】

 ◇真相解明うやむやに

 小池知事は1月、これまで「石原氏に責任はない」としていた都の方針を見直す方針を打ち出した。だが、結果的に石原氏の責任追及には至らず、宙に浮いた形となった。

 小池知事は1月、「(豊洲の)土地の購入経過が不透明で不適正ではないかとの疑惑が指摘されており、事実関係を明らかにしたい」と述べ、石原氏の賠償責任に関する従来の都の方針を再検討する意向を示した。2月には新たな都側弁護団を選び直し、土地の選定や購入の経緯などについて調査していた。一方、石原氏側は5月、代理人弁護士が東京地裁の口頭弁論に初めて出廷し「法的責任はない」と主張していた。

 最終的には小池知事の方針見直しは実現せず、原告弁護団は「(結論は)全く変わっておらず、極めて分かりにくい。残念だ」(大城聡弁護士)などと空転ぶりを批判した。小池知事は7日、報道陣に「豊洲の土地の取り扱いは不透明なところが多かったが、これでひとまずは解明していただいた」と述べるにとどまった。【森健太郎、芳賀竜也】

●産経ニュース
「産経ニュース」は8日、「東京都が主張を一部撤回 豊洲住民訴訟」という見出しで次の記事を配信した。
 築地市場(東京都中央区)の豊洲(江東区)移転をめぐり、土壌汚染対策費を考慮せずに土地を購入したのは違法だとして、都民約40人が石原慎太郎元都知事への賠償請求を都に求めた訴訟の進行協議が7日、東京地裁であった。都側は、平成14年に東京ガスと結んだ「汚染のない価格で購入する」との合意に「法的拘束力があった」とする、従来の主張を撤回。「中間的合意にすぎず、法的義務は生じていない」とした。

 都側はこれまで、石原氏に責任はないとの方針だったが、小池百合子知事が1月、訴訟方針の変更を表明。それに伴い、都側は弁護団を一新した。

 7日に都庁で会見した都側の新弁護団は「(旧弁護団の)主張を明確に撤回する。真相究明に努め、裁判所の公正な判断を求めるのが基本的な姿勢」と説明。「(石原氏が)裁量権を超えているという疑いもあるかもしれないが、判断は裁判所に委ねる」として、石原氏にとって不利になる証拠も含めて訴訟で提出していく方針を明かした。

●時事通信
「時事通信」は7日、《小池都知事「ひとまず解明」=弁護団方針に―豊洲訴訟》という見出しで次の記事を配信した。
 東京都の築地市場(中央区)の移転先である豊洲市場(江東区)の用地購入をめぐる住民訴訟で、小池百合子知事は7日、都側の弁護団が石原慎太郎元知事に責任はないとする従来の主張を変えない方針を示したことに関し、「不透明なところをひとまずは解明してもらった。この後は裁判所の(判断の)関係になる。一つずつ答えを出す、その道のりだ」と述べた。都内で記者団に語った。

 住民訴訟で原告側は、汚染された土地を高額で取得したのは違法だとして、石原氏に約578億円を請求するよう都に求めている。小池氏は1月、都の主張の見直しに言及。これを受け都は新たな弁護団を組織し、検証を進めていた。

 都側の弁護団は都庁で記者会見し、請求棄却を求める都の立場を変更することは「法律的に難しい」と指摘。その上で「裁判所が(石原氏に)責任はあると判断することは十分ある。公正な審理がなされるよう全面的に協力し、必要な証拠は全て出す」と説明した。

●読売新聞
「読売新聞」は8日付朝刊に《石原氏責任「裁判所が判断」主張変更せず都弁護団豊洲訴訟で》という見出しで次の記事を掲載した。
 東京・築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の用地購入費約578億円を石原慎太郎・元都知事に賠償させるよう住民が都に求めた訴訟で、都の弁護団は7日夜、記者会見を開き、「石原氏の責任については裁判所が決めることだ」と述べた。

 この日東京地裁で開かれた非公開の進行協議の後、住民側は、都が石原元知事に責任はないとする従来の主張を変更しないことを伝えたと明らかにしていた。

 これに対し、会見した都の弁護団の勝丸充啓弁護士は、これまで通り、住民側の請求を認めない(認諾しない)ことを伝えたと説明。石原氏に責任があるかどうかについては、「裁判所の判断に委ねる」と述べるにとどめた。

 訴訟は、移転に反対する水産仲卸業者らが2012年に提訴。「都は汚染された豊洲の用地を高い値段で購入した」として、石原氏の責任を主張したが、都側は、「購入は正当だ」と請求棄却を求めていた。

 小池百合子知事は今年2月、用地選定や土地購入契約の経過が不透明などとして都側の主張の見直しを検討するため、弁護団を交代させた。都側は4月までに訴訟方針を変更するかどうか決める予定だったが、結論を先送りにしていた。

 次回口頭弁論は9月4日に開かれる。

●鷲見一雄の視点
 都の弁護団の勝丸充啓弁護士が明らかにしたのは

① これまで通り、住民側の請求を認めない(認諾しない)ことを伝えた。

② 請求棄却を求める都の立場を変更することは「法律的に難しい」と指摘。

③ その上で「裁判所が(石原氏に)責任はあると判断することは十分ある。公正な審理がなされるよう全面的に協力し、必要な証拠は全て出す」と説明した。

④ 石原氏にとって不利になる証拠も含めて訴訟で提出していく方針を明かした。

●鷲見一雄の憎まれ口
 9月4日に開かれる次回口頭弁論に注目したい。


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