コラム

2017年08月07日号

【特捜捜査をみる目】
籠池容疑者逮捕から1週間=籠池氏の「夢」の実現のための無理押し、国税庁長官の異例の沈黙が明らかに


●時事通信
「時事通信」は7日、《「夢」無理押し、補助金不正=業者を一喝、水増し指示か―籠池容疑者逮捕1週間》という見出しで次の記事を配信した。
 学校法人「森友学園」の小学校建設に絡み国の補助金5600万円を詐取したとして、前理事長の籠池泰典容疑者(64)が逮捕されてから7日で1週間。

 籠池容疑者は黙秘を続けているとされるが、関係者の話から同容疑者が「人生の夢」とする小学校開設に向け、無理押しで補助金確保に動いた構図が次第に浮かんできた。大阪地検特捜部は不正を主導したとみて、捜査を進めている。

 学園が大阪府に小学校の設置認可を申請したのは2014年10月。校舎建設の積立金はなく、寄付金頼みの資金計画だった。認可には負債を抑える必要があり、苦しい財務状況の中、補助金などを多く集める必要があったとみられる。

 学園は建設費の足しにするため、15年7月、木材を多く使う建築を支援する国の補助金事業に応募。建設費の見積もりは約23億円、手続きは京都市の設計事務所が代行した。評価委員の大学教授に事前接触し助言を求めるなど手を尽くして採択されたが、補助額は上限で6200万円。見込み額には及ばなかった。

 一方で学園は工費が安い施工業者を探し、15年12月、大阪府内の業者と約15億5500万円で校舎建設工事を契約した。

「何とかせい」。16年1月、設計事務所と施工業者が集まった会合で籠池容疑者の怒号が響いた。事務所の担当役員は、建設費を見積もり以下に抑えた結果、補助金が上限額すら下回る見通しと説明。工費が膨らむ可能性も報告され、同容疑者は「補助金が減るのは困る」と強い口調で対応を指示したという。

 事務所側は直後に、工事額を23億8400万円にした新たな契約書の作成を施工業者に依頼。制度を熟知していたとみられ、窓口となる外郭団体の事後審査の甘さを指摘して協力を求めていた。新たな契約書は工事の各費目を1.5倍に水増しして見積もりに近づけたずさんな内容で、満額受給を狙ったとみられる。籠池夫妻にも報告した上で2月に国側に提出された。

●中日新聞
「中日新聞」は5日、「国税庁長官、就任会見せず 森友懸念?異例の沈黙」という見出しで次の記事を配信した。
 新しい国税庁長官に7月5日付で就任した前財務省理財局長の佐川宣寿氏(59)が1カ月たっても記者会見を開かず、沈黙したままだ。大阪市の学校法人「森友学園」に国有地が格安で売却された問題の担当局長として追及された経緯があり、庁内では「記者の質問を受けたくないのだろう」との見方が出ている。

 長官は就任2~3週間後には会見し、取り組むべき課題や抱負を述べるのが従来の慣例。就任1カ月後になっても会見の日程はおろか、会見するかどうかさえ決まっていないのは異例のことだ。

 国税庁が確認できた範囲では、少なくとも最近十数年の新長官は全員が就任会見を開いてきた。

(共同)

●鷲見一雄の視点
 周知のように森友学園は、

籠池泰典容疑者(64)=詐欺容疑で逮捕=が理事長だった2016年6月、ごみ撤去費約8億円を差し引いた1億3400万円で国有地を取得し、夢であった小学校の校舎建設などを進めていた。しかし、破格の値引きが国会で問題視され、学園は今年3月10日、学校の設置認可申請を取り下げた。土地は、特約に基づき国が買い戻した。

 籠池氏は自分の夢を実現するために総理夫人まで巻き込んで「あたかも昭恵氏が当事者であったか、のごときパフォーマンス」。前代未聞の国家秩序を乱す演出をした。しかし、その裏には小学校建設に絡み国の補助金5600万円を詐取したとして逮捕されるような事件が存在した。

 一方、7月5日付で国税庁長官に就任した前財務省理財局長の佐川宣寿氏(59)は1カ月たっても記者会見を開かず、沈黙したままという出来事も起きた。

 佐川氏は「森友学園」に国有地が格安で売却された問題の担当局長として国会で追及されたが、今夏の人事で国税庁長官に起用された。

●鷲見一雄の憎まれ口
 大阪地検特捜部に徹底した事案の解明を期待したい。


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