コラム

2017年07月10日号

【捜査をみる眼】
補助金不正事件、大阪地検特捜部は10日の府議会招致後に籠池夫妻を事情聴取へ


●朝日新聞デジタル
「朝日新聞デジタル」は10日、「籠池夫妻を地検聴取へ 補助金不正事件、府議会招致後に」という見出しで次の記事を配信した。
インタビューに答える籠池泰典氏=5月8日夜、東京都千代田区、関田航撮影

 学校法人森友学園(大阪市)による補助金不正受給事件で、大阪地検特捜部は籠池泰典前理事長(64)に事情聴取する方針を固めた。大阪府議会が10日、同氏の参考人招致を予定しており、特捜部はそれを待って近く実施する考えだ。

 籠池氏の妻で、学園が運営する幼稚園の副園長だった諄子(じゅんこ)氏(60)についても園運営の中心的役割を担ったとみて聴取する模様だ。両氏の不正の意図などを尋ね、立件に向けた詰めの捜査に入るとみられる。

 特捜部は国や府の補助金を不正受給した容疑で6月19日、籠池氏の自宅や学園事務所などを家宅捜索した。また、籠池氏の長女である学園の現理事長、幼稚園職員らのほか、設立を目指した小学校の施工・設計会社にも任意で事情を聴取しており、補助金申請の経緯について本人らに直接確認する時機を探ってきた。

 こうした中、今月3日に府議会が参考人招致を決め籠池氏が出席の意向を表明。特捜部は府民の知る権利にも配慮し、聴取の時期を検討したとみられる。

 籠池氏は、幼稚園の教員数などに応じた府の補助金約6180万円と、小学校建設費に対する国の補助金5644万円を不正に受給した詐欺と補助金適正化法違反の疑いで告訴、告発されていた。学園をめぐる疑惑の発端で、財務省が小学校用地として国有地を売却した際に8億1900万円を値引きした問題についても、特捜部は背任容疑の告発を受けており、捜査を進めている。(畑宗太郎、一色涼)

●毎日新聞
「毎日新聞」は9日、「<森友学園>籠池氏は何を語るか 大阪府議会・参考人招致」という見出しで次の記事を配信した。
籠池氏参考人招致のポイント

 ◇小学校設置認可を巡る問題 10日に初めて

 大阪市の学校法人「森友学園」の小学校設置認可を巡る問題で、大阪府議会は10日、学園の籠池泰典前理事長(64)を初めて参考人招致する。開校直前になって、ずさんさが浮上した小学校計画。府の認可手続きは妥当だったのか。松井一郎知事は「全て説明を尽くした」と幕引きを図ろうとしてきたが、籠池氏は何を語るのか。

 ◆規制緩和

「一般金融機関からの借入を認める……5府県 借入を認めない……2府県(大阪府、和歌山県)」

 籠池氏は2011年ごろ、大阪の私立小学校の設置基準が他府県より厳しいとする文書を府に示し、基準緩和を要望した。府側は「入り口で排除するのは合理的ではない」という意見から、12年4月に緩和が実現する。幼稚園の運営実績しかない学校法人でも、小学校開設に借入金を充てることを容認した。

 背景には厳しい財政事情から、民間の新規参入を促したい府の意向があった。折しも橋下徹氏の知事就任後、規制緩和策が次々と打ち出されていた。その流れに乗り、森友学園は参入への障壁を自ら打開した。

 ◆ずさんな計画

 小学校の収支状況、事実ではない私立中等教育学校への推薦枠、籠池氏の経歴詐称疑惑--。学園の申請内容に疑義が相次ぎ浮上したのは開校約1カ月前。学園側は「ミスだ」と釈明を繰り返した。

 府私立学校審議会(私学審)が2015年1月に「認可適当」として以降、開設への手続きが進む。府や私学審は寄付金の受け入れ状況などの定期的な報告を学園に求めていたが、府幹部は「民間参入を促そうとするあまり、チェックが甘くなった」と反省する。「性善説」に立った審査では、計画のずさんさを見抜けなかった。

 府議会は今回の招致で、学園の資金計画や規制緩和を要望した経緯などについて確認する方針だ。

 ◆政治家関与は?

 府の調査では、認可の審査状況などを問い合わせた政治家として4人の名前が挙がった。ただ、籠池氏が3月の国会証人喚問で「協力を依頼した」と証言した複数の政治家とは異なる。府は手続きへの政治家の関与や影響を否定するが、招致の場で新たな名前が浮かぶ可能性もある。

「公権力が圧力をかけてきて、はしごを外された」。籠池氏は3月の認可申請の取り下げ以降、府や松井氏への恨み言を連ねるが、府が取り下げを迫った事実は出ていない。籠池氏が具体的な証言をするのか注目される。【服部陽】

●鷲見一雄の視点
 大阪府議会の参考人招致は今日だ。

●鷲見一雄の憎まれ口
 籠池氏は何を語るのか、注目したい。


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