コラム

2017年06月15日号

【裁判をみる眼】
別事件で公判中に集団暴行容疑で再逮捕された慈恵医大病院の医師・松岡芳春容疑者


●中日新聞
「中日新聞」は14日、「集団暴行容疑で慈恵医大医師ら逮捕 20代女性に飲酒強要」という見出しで次の記事を配信した。
 20代の女性に酒を飲ませて集団で暴行したとして、警視庁麻布署は14日、集団準強姦の疑いで、東京都世田谷区、東京慈恵医大病院の医師松岡芳春容疑者(32)ら男3人を逮捕した。

 ほかに逮捕されたのは、千葉県佐倉市、元医師の無職上西崇容疑者(32)と、川崎市川崎区、東邦大医学部4年中村吉宏容疑者(27)。松岡、上西両容疑者は、酒に酔った女性を暴行したとして埼玉県警に逮捕され、準強姦罪などで公判中。

 麻布署によると、3人は同じ大学の先輩後輩。事件前、渋谷区の居酒屋で被害女性らと合コンで飲酒し、2次会で現場マンションへ移動した。

(共同)

●朝日新聞デジタル
「朝日新聞デジタル」は14日、「集団準強姦などの疑い、医師や医学生ら逮捕 黙秘・否認」という見出しで次の記事を配信した。
 酒に酔って酩酊(めいてい)状態の女性に集団で性的暴行を加えたとして、警視庁は14日、ともに東邦大学医学部(東京)を卒業した医師と元勤務医、同大医学部の学生の男3人を集団準強姦(ごうかん)などの疑いで逮捕し、発表した。

 逮捕されたのは、東京慈恵会医科大学付属病院(東京)の医師で休職中の松岡芳春容疑者(32)=東京都世田谷区▽元勤務医の上西崇容疑者(32)=千葉県佐倉市▽東邦大学医学部の学生中村吉宏容疑者(27)=川崎市川崎区。松岡、上西両容疑者は黙秘し、中村容疑者は否認しているという。

 麻布署によると、3人は昨年6月26日未明、松岡容疑者が当時住んでいた東京都港区のマンションの部屋で、20代女性に飲酒を強要、抵抗できない状態にして集団で性的暴行を加えた疑いがある。松岡容疑者は一緒にいた別の20代女性にも暴行を加えようとした疑いがある。中村容疑者が「医者の先輩と飲まないか」と女性を誘い、25日夜に居酒屋で飲食後、この部屋に連れて行き、ゲームと称してさらに飲酒を強要したという。

 松岡容疑者は別の女性に対する準強姦罪で、上西容疑者も複数の女性に対する準強姦や同未遂罪で起訴されており、公判中。

●司法ジャーナル
「司法ジャーナル」は6月07日号に《【裁判をみる眼】女性を酒に酔わせ暴行したとして、準強姦罪に問われた医師の初公判=前代未聞の罪状認否、被告は「姦淫しておりません」と起訴内容を否認、弁護側は起訴が被害者の女性の意思に反して行われたとして「公訴権の乱用」を主張、公訴棄却を求めた!!》という見出しで次の記事を掲載、配信した。

●時事通信
「時事通信」は5日、「医師が無罪主張=準強姦罪を否認―さいたま地裁」という見出しで次の記事を配信した。
 女性を酒に酔わせ暴行したとして、準強姦(ごうかん)罪に問われた東京慈恵会医科大病院の医師松岡芳春被告(32)=休職中=の初公判が5日、さいたま地裁(佐々木直人裁判長)であり、同被告は「自分はやっていない」と起訴内容を否認した。

 検察側は冒頭陳述で、松岡被告らが飲み会で罰ゲームと称して女性に酒を飲ませ、酔いつぶした上で別の部屋に運び、性的暴行を加えたと指摘。弁護側は「暴行したのは松岡被告ではない」として無罪を主張した。

 起訴状によると、松岡被告は昨年8月26日夜から27日にかけ、東京都大田区西蒲田のマンションで、医師の上西崇被告(32)=同罪などで公判中=らと共謀し、当時20代の女性を酒に酔わせて抵抗不能にさせ、暴行したとされる。

●産経ニュース
「産経ニュース」は6日、《准強姦事件で被告の医師側「被害女性の意思に反して起訴」「『弁護士が職場に押しかけてくる』と言われ、示談できなかった」》という見出しで次の記事を配信した。
 酒に酔った20代の女性に暴行したとして準強姦(ごうかん)などの罪に問われた東京都港区の医師、松岡芳春被告(32)の初公判が5日、さいたま地裁(佐々木直人裁判長)であり、罪状認否で松岡被告は「姦淫しておりません」と起訴内容を否認した。さらに弁護側は起訴が被害者の女性の意思に反して行われたとして「公訴権の乱用」を主張し公訴棄却を求めた。

 弁護側によると、女性は弁護側が(示談の)交渉を希望していると警察官から知らされた際、「弁護人に連絡先を教えると職場まで押しかけてくる」などと伝えられ、交渉のイメージを誤解。女性は被害弁償を受けられれば、公判を希望する意思がなかったという。

 一方、検察側は冒頭陳述で、女性に自分の連絡先を弁護側に伝えるか確認した際に「教示を希望しない旨の回答を受けた」と説明。処罰感情の存在も確認したとして、起訴の有効性を主張した。

 この事件の捜査を担当した警察官の証人尋問も行われた。示談について説明した際の女性の反応について検察側から問われると、「どちらかというと(示談に)消極的だった」と答えた。証拠調べでは、女性が度々示談について質問していたことも明かされた。

 冒頭陳述によると、松岡被告は昨年8月26〜27日、東京都大田区のマンションの一室で、20代女性を泥酔させ、隠し部屋に連れ込んで暴行したとしている。

●鷲見一雄の視点
 この種の事案では「前代未聞」の初公判となったことは間違いないようだ。
●鷲見一雄の憎まれ口
 産経ニュースの記事通りなら、どんな捜査がなされたのか、疑問に思うばかりか、由々しき事態と言わなければならない。今後の報道に注目したい。

●鷲見一雄の視点
 警視庁麻生署に再逮捕された慈恵医大医師の松岡芳春容疑者はどういう神経をしているのか、と思う。5日にさいたま地裁(佐々木直人裁判長)で開かれ別事件の初公判で、弁護側は起訴が被害者の女性の意思に反して行われたとして「公訴権の乱用」を主張し、公訴棄却を求めた。

 私の認識では日本の裁判所が公訴棄却を認めることは極めて稀。申し立てても認められることは滅多にない、ということだ。

 しかもそのわずか9日後、警視庁麻布署に集団準強姦容疑で再逮捕されるとは。さいたま地裁の方は昨年8月26日夜から27日にかけ実行、麻生署の方は2か月前の昨年6月26日未明の事件。

 警視庁麻布署が捜査していたのを知らなかった、とは思えない。実に不可解である。

●鷲見一雄の憎まれ口
 警視庁麻生署と東京地検の徹底した捜査に期待したい。


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