コラム

2017年06月13日号

【裁判をみる眼】
<宇都宮・看護師殺害>交際相手に懲役17年=裁判長「他の男性に横取りされるのは嫌だという自らの感情を優先させた動機は短絡的で身勝手、他の女性との間に子供をもうけ、隠していた。自分のことを棚に上げている」と厳しく非難


●産経ニュース
「産経ニュース」は8日、《【宇都宮・看護師殺害】服装に変化…「他に男がいるのでは」 不規則発言に被害者親族「ちゃんとしゃべれよ」 被告人質問中断 宇都宮地裁》という見出しで次の記事を配信した。
 宇都宮市で昨年12月、交際していた看護師の根本紗貴子(さきこ)さん=当時(28)=を殺害するなどしたとして殺人などの罪に問われた元工員、菅野龍被告(27)の裁判員裁判の第2回公判が7日、宇都宮地裁(佐藤基裁判長)で開かれ、被告人質問があった。
 菅野被告は弁護側の質問に答え、経緯を説明。根本さんとの結婚を考えていたが、「正社員になったら」と言われ、昨年8月ごろから根本さんの服装の変化などから「他に男性がいるのではと疑うようになった」と述べた。昨年12月には根本さんから「(誕生日は)1人になりたい。同僚とご飯に行く」と言われ、疑惑が深まったと説明。何度も言葉を詰まらせていた。
 根本さんの親族から「ちゃんとしゃべれよ」と言われ、菅野被告は答えられなくなり、公判は約1時間で中断。再開されなかった。菅野被告の弁護士は「被告はありのままを言うのが役目と認識している。(不規則発言で)パニックになったのだろう」と述べた。
 起訴状によると、昨年12月10日午後、根本さんの自宅で、包丁で根本さんの背中を刺して殺害し、根本さんの軽乗用車を盗んだとしている。

●産経新聞
「産経新聞」は12日、《宇都宮の看護師殺害、交際相手に懲役17年判決裁判長「自分のことを棚に上げている」》という見出しで次の記事を配信した。
 宇都宮市のアパートで昨年12月、交際していた看護師、根本紗貴子(さきこ)さん=当時(28)=を殺害するなどしたとして殺人などの罪に問われた栃木県上三川町、元工員、菅野(すげの)龍被告(27)の裁判員裁判の判決公判が12日、宇都宮地裁で開かれ、佐藤基(もとい)裁判長は懲役17年(求刑懲役18年)を言い渡した。

 判決によると、昨年12月10日午後、根本さんのアパートで、根本さんの背中などを包丁で数回刺して殺害し、根本さんの軽乗用車を盗んで逃走した。

 佐藤裁判長は「他の男性に横取りされるのは嫌だという自らの感情を優先させた動機は短絡的で身勝手だ」と指摘した。

 菅野被告は公判で、根本さんの浮気を疑ったことなどを主張したが、佐藤裁判長は「他の女性との間に子供をもうけ、隠していた。自分のことを棚に上げている」と厳しく非難した。

 佐藤裁判長は最後に菅野被告に「人を好きになるということは何よりも大切にすることです」と述べた。

 根本さんの遺族は弁護士を通じ、「裁判では被告が自分に都合のいい言い方をして悔しい思いをした。判決の懲役17年は軽く納得し難いものがある。ただ、さまざまなことを考慮した結果だと思うので、受け入れなければならない。今後は少しずつ平穏な生活を取り戻したい」とコメントした。

●鷲見一雄の視点
 菅野被告の被告人質問における弁解も、佐藤裁判長は「他の男性に横取りされるのは嫌だという自らの感情を優先させた動機は短絡的で身勝手だ」との指摘。

 菅野被告は公判で、根本さんの浮気を疑ったことなどを主張したが、裁判長は

「他の女性との間に子供をもうけ、隠していた。自分のことを棚に上げている」と厳しく非難。

 この裁判長の指摘と、厳しい非難から推察すると、菅野被告の主張は裁判員に受け入れられていなかった、と思う。それが検察側の懲役18年の求刑に懲役17年の判決となった、と感じる。

●鷲見一雄の憎まれ口
 妥当な判決だ、と思う。


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