コラム

2017年04月20日号

【捜査をみる眼】
組長収監逃れ事件―京都地検、虚偽診断書作成・同行使罪で康生会・武田病院(京都市)の医師全栄和容疑者(62)を起訴


●時事通信
「時事通信」は18日、「偽診断書で医師起訴=組長収監逃れ事件―京都地検」という見出しで次の記事を配信した。
 暴力団組長の病状をめぐり虚偽の診断書が検察庁に提出された事件で、京都地検は18日、虚偽診断書作成・同行使罪で康生会・武田病院(京都市)の医師全栄和容疑者(62)を起訴した。認否は明らかにしていない。

 共に逮捕された病院職員(45)と指定暴力団会津小鉄会系組員の山田英志容疑者(48)は、処分保留で釈放。京都府警は会社の代表者名などを偽ったとする建設業法違反容疑で山田容疑者を再逮捕した。

 起訴状などによると、全容疑者は恐喝事件で実刑が確定した指定暴力団山口組淡海一家総長の高山義友希受刑者(60)の収監を免れさせるため、2016年1月29日~2月5日、「心室性不整脈が頻発し、症状が重篤化することが予測できる」などとした虚偽の診断書を作成し、同8日に大阪高検に提出したとされる。 

●産経新聞
「産経新聞」は19日、「虚偽申請で建設業、会津小鉄会系組員ら逮捕」という見出しで次の記事を配信した。
 虚偽の建設業許可の申請を行ったとして、京都府警は18日、建設業法違反容疑で、指定暴力団会津小鉄会系組員、山田英志容疑者(48)=宇治市六地蔵奈良町=を再逮捕し、京都市山科区椥辻西潰、建設作業員、中本貴久容疑者(38)ら3人を逮捕した。

 山田容疑者は、暴力団幹部の収監を免れさせるために検察に病状の虚偽報告をしたとして虚偽診断書作成・同行使容疑で逮捕されていたが、同日、処分保留で釈放されていた。

 山田容疑者の再逮捕容疑は平成28年3月下旬、勤務実体のない中本容疑者ら2人を代表取締役などとする法人の虚偽の建設業許可を府に申請し、不正に建設業許可を受けたとしている。山田容疑者は認否を留保しているという。

 府警組織犯罪対策2課によると、建設会社は山田容疑者が実質的に経営していた。

●お詫びと訂正
「京都府警」が山田容疑者を再逮捕したということは虚偽診断書作成・同行使容疑についても引き続き調べる、ということであろう。

 本紙は昨日のこの欄に「【捜査をみる眼】京都地検、医師の虚偽診断書作成に法のメス=武田病院の不整脈治療センター所長で医師・全栄和(チョン・ヨンファ)容疑者(62)を起訴」と題するコラムをアップしたが、コンピューター故障のため数時間、意味不明の記事を配信したことになった。そのお詫びと訂正のため、意味不明となった部分を再録する。

●鷲見一雄の視点
「産経新聞」によれば「全容疑者は、指定暴力団山口組系淡海(おうみ)一家総長、高山義友希(よしゆき)受刑者(60)について、(本紙注・懲役8年の)

実刑判決確定後の収監を免れさせようと計画。平成28年1~2月、「心室性不整脈はかなり重篤」などとする虚偽の診断書を作成し、2月に回答書として大阪高検に提出したとして、先月27日に逮捕された。逮捕後の取り調べでは「医師として普通に診断しただけ」との趣旨の供述をし、容疑を否認していたという。」(以上産経)

 全被告は公判で起訴事実を否認し、無罪を主張するとみられるが、被告の回答書によって収監が1年遅れたことは厳然たる事実といえる。この山口組幹部の刑の執行妨害行為は明らかに「国家秩序」に反する行為であり、仮に「医師として普通に診断しただけ」としても、許されざる反社会的行為であることは間違いない、というのが私の視点だ。

 なお、「一連の事件では、府警は京都府立医大病院(同市)なども家宅捜索。腎臓病の回答書について虚偽でなかったかどうか、慎重に調べを進めている」(産経)とされる。当然だ、と思う。

●鷲見一雄の憎まれ口
「国家の行う刑の執行に関する主治医の回答は普遍性がなければならない」。

「国家の行う刑の執行は主治医の回答に普遍性がなくても、医師の回答書を検証せず、何もせず、黙認してはならない」。医師の特権にしてはならない、という意味だ。

 医師の普遍性に欠ける回答を国家が黙認すれば「法の支配が崩壊」するからだ。

「高山受刑者」は今年2月14日、刑の執行停止は取り消され、同受刑者は収監された。京都府警の捜査によって刑の執行は正常化した、ということだ。

「京都地検」の全容疑者起訴は当然の処分をした、と評価する。


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