コラム

2017年03月17日号

【鷲見一雄の憎まれ口】
収監逃れ疑惑=民間病院からの紹介状に「暴力団関係者」と記載があり、生体腎移植手術前から病院として認識していたことを京都府立医大の病院事務部長が証言


●京都新聞
「京都新聞」は15日、「収監逃れ疑惑、京都府医大に府幹部派遣へ」という見出しで次の記事を配信した。
 京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が生体腎移植手術を受けた暴力団組長の収監見送りを巡り、検察庁に虚偽の症状を記した文書を提出したとされる事件で、山田啓二知事は15日、大学を運営する府公立大学法人に新たに幹部職員を派遣する方針を明らかにした。「府立医大の信頼回復のため、できる限りサポートしたい」としている。
 山田知事は、府議会予算特別委員会総括質疑の答弁で「異常な事態を早期に解消するため、まずは事実関係を究明することが先決」とした上で「(新学長の就任など)4月からの新たな体制をサポートするため、人的派遣を含めて法人の組織を強化したい」と述べた。
 山田知事は委員会終了後の取材に対し、4月から少なくとも幹部職員1人を法人に派遣し、再発防止や組織の適正化に向けて支援する意向を示した。
 山田知事は、法人や大学に対する府のサポートについて「(これまでより)少し多めに入ってやらざるを得ない」としており、府の文化スポーツ部と健康福祉部を通じて、関与を強める狙いがあるとみられる。

●京都新聞
「京都新聞」は16日、《紹介状に「暴力団関係者」 京都府立医大、病院事務部長が証言》という見出しで次の記事を配信した。
 京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が暴力団組長の収監見送りを巡り、検察庁に虚偽の症状を記した文書を提出したとされる事件で、病院の荒田均事務部長は16日、2014年2月に民間病院から出された指定暴力団山口組系淡海一家総長の高山義友希受刑者(60)の紹介状に「暴力団関係者」と記載があり、当時から病院として暴力団関係者と認識していたことを明らかにした。
 府議会は同日の全員協議会で、事件に関する質疑を行った。荒田部長は「(高山受刑者は)14年2月に(生体腎)移植を希望して紹介状を持って来た。その中に『暴力団関係者』と書いてあった」と述べた。
 高山受刑者の移植手術を実施することについては「医局で反対の声は一部だった」とし、病院幹部の独断ではなかったとの認識を示した。議員から、吉村了勇院長(64)の指示で検察庁宛ての文書に虚偽が記載されたのではないかと問われると、「主治医と院長が相談する中でベストな回答を導きだした。主治医の最初の考えと(文書の内容は)大きな相違はなかったと聞いている」と説明した。
 また、吉川敏一学長(69)が、暴力団関係者と知りながら高山受刑者と学長室で会っていたことについて、荒田部長は「会うべきではなかった」とし、府立医大の坂本修司事務局長は「学長が個人的に会う人については、大学として管理できていなかった」と釈明した。

●鷲見一雄の視点
 民間病院からの紹介状に高山義友希受刑者について「暴力団関係者」と記載があり、生体腎移植手術前から病院として認識していたことを京都府立医大の病院事務部長が証言したことは大問題だ。
 荒田部長、坂本事務局長の証言、釈明から考えても、山田啓二京都府知事が、大学を運営する府公立大学法人に新たに幹部職員を派遣する方針を判断したのは当然である。荒田部長、坂本事務局長がおかしいからだ。

●鷲見一雄の憎まれ口
 吉川敏一学長、吉村了勇院長には「2013年6月、京都地裁で恐喝罪などにより懲役8年の判決を受け上訴中の人物の生体腎移植手術を引受け、実行したのか、説明すべき責任がある」と指摘しないわけにはいかない。お二人は医師としては立派であっても「京都府立医科大の学長」、ベッド数千床を超す京都の中核病院である「同大学付属病院長」としては山口組2次団体、淡海一家総長の高山義友希受刑者に関する判断に違和感を拭えないからだ。「京都府立医科大の学長」、「同大学付属病院長」の姿勢としては「いかがなものか」という意味だ。


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